「VOCA展」に関するハラスメント防止のためのガイドラインが制定

今年5月、「VOCA展」実行委員会と上野の森美術館が「『VOCA展』に関するハラスメント防止のためのガイドライン」を制定し、これを発表した。

「VOCA展」におけるハラスメント防止のためのガイドライン(https://www.ueno-mori.org/exhibitions/voca/antiharassmentguidelines)

 「VOCA展 現代美術の展望-新しい平面の作家たち」(以下、「VOCA展」)実行委員会と上野の森美術館が、「『VOCA展』に関するハラスメント防止のためのガイドライン」を制定し、これを発表した。

 このガイドラインは、VOCA展の開催および運営に関わる関係者と活動に適用されるもので、各人が互いを尊重しながら創作活動や評論活動、職務を行うための自由で安全な環境づくりを目指すことが目的だ。

「VOCA展」実行委員会と上野の森美術館は、VOCA展の継続的な開催により、平面の領域で活躍が期待される若手作家を全国各地から選出し、顕彰、支援すること、さらに現代美術の振興に寄与することを目的とする組織として、VOCA展に関係する人々の尊厳と安全を脅かすあらゆる人権侵害やハラスメントを容認しません。VOCA展の開催にあたりハラスメント等を発生させないよう努めます。

(「Ⅰ 全体」2. 基本方針より一部抜粋)

 また、全国のキュレーターが1人の推薦委員となり、1人(組)の作家を推薦するという同展の構造が孕みうる様々なハラスメントを防止することも「推薦委員の行動規範」として定められている。

一人の推薦者が一人(組)の作家を推薦し、推薦者と作家が協力しながら出品する仕組みがVOCA展のユニークな点であり、この仕組みにより、多彩な推薦者の視点を採り入れながら、まだ無名の作家や地方の優れた作家をこれまで幅ひろく紹介してきたと考えます。
推薦者は作家の力強い支援者である一方で、推薦された作家は全員出品できることから、推薦者と作家のあいだに上下関係が生まれ、作家が推薦者にたいして自身の意思を表明できない可能性も出てきます。
よって、「I 全体」に示した事項に加えて、推薦委員がハラスメント防止のために遵守すべき行動規範をここに示します。本規範は推薦委員と作家の両者が参照し、ハラスメント等の問題が起きないようにするためのものです。

(「Ⅱ 推薦委員の行動規範」1. 趣旨より一部抜粋)

 なお、本件に関する相談窓口も設置してあるため、詳細は該当ページを参照してほしい。

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