東京の臨海副都心に位置するお台場エリアを舞台に、新たな芸術祭「東京お台場トリエンナーレ 2025」が2025年10月〜12月に開催される。
観光地として国内外に広く知られる「お台場」。江戸時代末期の鎖国政策終焉の直前には、日本を外国から防衛するための砲台を設営した土地として、歴史に名前を刻んだ。現在は臨海副都心としての都市計画により開発が進んでおり、世界に開かれた東京の玄関口に変容を遂げている。
同芸術祭を主催するのは、東京都(都知事:小池百合子)とお台場トリエンナーレ実行委員会(実行委員長:遠藤龍之介)。会場は台場公園(第三台場)、フジテレビ本社屋・湾岸スタジオ、日本科学未来館などを予定している。
2025年は、世界陸上やデフリンピックが開催される年でもある。小池知事は声明文で、「アートを通じて東京にしかない価値や魅力を先鋭的に発信する国際芸術祭を開催することは、東京の芸術文化をさらなる高みへと導くことだろう」とし、「アートは、街に息吹を与え、その魅力を向上させ、私たち一人ひとりに感動と喜びを与える。最先端のアートから私たちに投げかけられる未来への問いは、より良い社会づくりや持続可能なまちづくりの原動力となる」とコメント。
また、遠藤実行委員長は芸術祭の開催により「これまで培ってきたエンタテインメントとアートの力で東京の魅力を世界に向けアピールしたい」としつつ、次のように述べている。
「分断と混迷が続く不安な世界情勢のなかで、芸術の力はますます重要になってきている。会場を訪れる方々が現代アート作品と触れ合うことで、感動、喜び、楽しみや癒しを、あるいは気づきや思索のきっかけになる場を提供する。そして、新たな価値観と出会う体験を東京・お台場で創出できれば、それにまさる喜びはない」。
なお、日程などの詳細は今秋発表予定。日本が世界に向けて国を開くきっかけにもなった「お台場」から、どのようなアートが新たに生まれるのか。注目したい。