ヘラルボニーが初の国際アートアワード「HERALBONY Art Prize 2024」を創設。障害ある作家のキャリア支援へ

福祉を起点に新たな文化を創ることをめざした福祉実験カンパニーとして活動するヘラルボニー(HERALBONY)が、初となる国際アワード「HERALBONY Art Prize(ヘラルボニー・アート・プライズ)」の創設を発表した。

1月31日に行われた記者発表会の様子。左から松田文登、松田崇弥、黒澤浩美、盛岡笑奈、日比野克彦

「異彩を、放て。」をミッションに、福祉を起点に新たな文化をつくることをめざした福祉実験カンパニーとして活動するヘラルボニー(HERALBONY)。ライフスタイルブランド「HERALBONY」や盛岡のアートギャラリー「HERALBONY GALLERY」の運営など多角的に事業を展開するなか、初となる国際アワードの創設を発表した。

 今回のアワードは、作家のキャリアを後押しすることを目的としたもので、世界中の障害のある作家が対象。審査員にはクリスチャン・バースト(ギャラリー クリスチャン・バースト創設者)、黒澤浩美(金沢21世紀美術館チーフキュレーター)、日比野克彦(東京藝術大学学長)、盛岡笑奈(LVMH メディエダール ジャパン ディレクター)が務める。

 審査基準は「独自の視点を持ち、新たな芸術創造性があるか」「社会に新たな視点や変化を投げかけるような独創性があるか」「多様性を体現する、自由な発想があるか」の3点だ。グランプリ(1名)には賞金300万円が与えられるほか、複数の企業賞も予定されている。企業賞によって、様々な企業と作家がコラボレーションする機会の創出も狙う。

 日本全国37施設、150名以上の障害のある作家とアートライセンス契約を結ぶという独自のモデルでアーティストたちを支援してきたヘラルボニー。共同代表の松田崇弥・文登は、「『障害者』という人物はひとりもいない。障害を特性として伝え、その発露をうながすことで才能として認めていくアートプライズにしたい」としており、「“本当の意味”で異彩が放たれた世界を目指したい」と意気込みを見せる。

 審査員のひとりである黒澤は、「芸術表現は広く世界を創造する行為。内から湧き出る表現を世界に向けて羽ばたかせる新しい出会いに期待している」とコメント。またアール・ブリュットに特化したギャラリーを運営するバーストは、「アール・ブリュットはより広い観客に届くべき。ヘラルボニーのイニシアチブはその目標を達成するにあたり、大きく貢献するだろう」と期待を寄せる。

 応募期間は1月31日~3月15日。8月10日から三井住友銀行東館アース・ガーデンで行われる展覧会にて受賞作品が披露される。

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