24年秋にグランドオープン「TODA BUILDING」に4ギャラリーが入居。現代アートの拠点に

2024年秋、東京・京橋にグランドオープン予定の「TODA BUILDING」。ギャラリーコンプレックスをはじめ、アートが大きな要素を占める同ビルの注目すべきポイントをまとめる。

ギャラリーコンプレックス イメージパース

 2024年秋、アーティゾン美術館の隣にグランドオープンする「TODA BUILDING」。ここがアートの新たな拠点となろうとしている。

 同ビルは地下3階28階建ての超高層ビル。8~27階がオフィスフロアとなり、1~6 階を芸術文化施設と商業施設で構成される。戸田建設が自社ビルでアート事業を展開するのはこれが初めてだ。

中央通り側から見た広場のパース 提供=戸田建設

 具体的なフロア構成としては、1階にアートショップ・カフェが入り、天井高さ約16メートルの大きな吹き抜け空間のエントランスロビーとその吹き抜け空間を取り囲む回廊(アートコリドー)には、アート事業で取り組むパブリックアート・プログラムによる新進アーティストの作品が展示。オフィステナントのワーカーだけでなく一般来館者もアクセス可能な共用スペースに作品を展開することで、誰もが気軽にアートに触れる機会を提供する。

 また隣接街区と合わせて間口が約120メートルにおよぶ広場(アートスクエア)は、屋内と一体で使える設えとなり、様々なアートや地域イベントの場としてにぎわいと回遊性を生み出すという。第1回目のパブリックアート・プログラムは、国内外で活躍するキュレーターの飯田志保子を迎え「螺旋の可能性──無限のチャンスへ」をコンセプトに4名の新進アーティストの作品をエントランスロビー、屋外広場、2・3階の回廊などで展開予定だ。

エントランスロビー イメージパース

 注目すべきは同ビル3階だ。ここに創設されるギャラリーコンプレックスには、タカ・イシイギャラリー(六本木など)、小山登美夫ギャラリー(六本木など)、KOSAKU KANECHIKA(天王洲)、Yutaka Kikutake Gallery(六本木)の4ギャラリーが入居。いずれも東京にベースを置く、日本を代表する現代美術ギャラリーだ。京橋エリアは古くから古美術商や画廊などが軒を連ねているが、ここに現代美術のギャラリーが本格的に進出することとなる。アーティゾン美術館とのあいだで送客の相乗効果も期待できるだろう。

 4階はコンサートや展示会なども可能なイベントホールとなり、6階にはソニー・クリエイティブプロダクツが運営するミュージアムが入居。「現代の表現者」をキーワードに掲げ、マンガ、アニメ、音楽、ゲーム、キャラクターといった多彩なジャンルをカバー。ソニーミュージックグループをはじめ、新聞社やテレビ局、出版社などとともに、コンテンツを構成する。

 東京駅前という好立地のエリアを現代アートの発信拠点へと変貌させるTODA BUILDING。オープンに向けて期待が高まる。

 なお都心ではこのほか、森ビルが進める「虎ノ門・麻布台プロジェクト」(2023年竣工)に「森ビル デジタルアート ミュージアム:チームラボボーダレス」が移転。また東京建物が進める「(仮称)京橋三丁目東地区市街地再開発事業」(2029年竣工)で「仮称アートセンター」を整備する計画を明らかにしている。

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