日本を代表する建築家のひとり、藤森照信が国内で初めて手がける宿泊施設「藤森旅館(仮)」が2023年夏に、長野・富士見町で開業する。
藤森照信は1946年、長野県生まれの建築家・建築史家。1991年、「神長官守矢資料館」で建築家としてデビュー。 1997年に「ニラハウス」赤瀬川原平邸で日本芸術大賞を受賞し、「第10回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展」(2006)日本館のコミッショナーを務めた。また20年には「ラコリーナ近江八幡草屋根」で日本芸術院賞を受賞した。
「藤森旅館(仮)」は、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳、富士山の美しい山並みを望む4000平米の敷地につくられる、1日1組限定(最大5名宿泊可)のB&Bスタイルの宿。敷地は2段に分かれており、下の段は宿泊者のプライベートエリアとして、上の段は芝生が広がる交流の場として地元の人々に開放するという。
仕上げ作業に一般の人々が関わることを重視する藤森。今回は、銅版曲げのワークショップや焼杉のワークショップ、先行見学会などに参加できるクラウドファンディングを実施しており、「みんなでつくる藤本建築」を目指す。
なお、会場付近には「高過庵」や処女作「茅野市神長官守矢資料館」、新作の「五庵」といった藤森の建築群があり、地域全体で藤森建築の魅力を感じることができるようになる予定だ。