ロシアによるウクライナ侵攻はアート界にも大きな影響を与えつつある。今年4月23日に開幕する第59回ヴェネチア・ビエンナーレにおいて、ロシア館代表作家の不参加が決定的となった。
今年、ロシア館ではキュレーターとしてライムンダス・マラウスカス(Raimundas Malasauskas)が、アーティストとしてキリル・サフチェンコフ(Kirill Savchenkov)とアレクサンドラ・スチャレヴァ(Alexandra Sukhareva)が参加予定となっているが、2月28日に公式Instagramを通じ、この3人の不参加を明らかにした。
投稿では「ロシア館はアーティスト、アート、クリエイターのためのホームだ」であり、この3人の決定を支持すると表明。「ロシア館は閉ざされたままになるだろう」とされている。
旧ソ連時代のリトアニアに生まれたマラウスカスは自身のInstagramでも声明を発表。「ロシアのウクライナへの軍事侵攻と爆撃を考えると、このプロジェクトに取り組むことはできない」「この戦争は政治的にも感情的にも耐え難いもの」「現在の攻撃と征服に明確に反対だ」と自身の考えを明言している。
なおヴェネチア・ビエンナーレでは、ウクライナ館代表も声明を発表しており、ウクライナへの連帯を呼びかけている。
いっぽう主催者のヴェネチア・ビエンナーレは、25日に発表した声明のなかでウクライナへの連帯を表明。ビエンナーレが「あらゆる国、言語、民族、宗教の機関、アーティスト、市民の間の対話の場であり続ける」との姿勢を見せており、最短での平和的解決を望むとしている。