「あいちトリエンナーレ」を前身とし、今年新たに開催される国際芸術祭「あいち2022」(7月30日~10月10日)が第2弾となる参加作家を発表した。
森美術館館長・片岡真実が芸術監督となり、「STILL ALIVE(いまだ生きている)」をテーマに掲げる今回。参加アーティストはこれまですでに、ホダー・アフシャール、リリアナ・アングロ・コルテス、ヤコバス・カポーン、ケイト・クーパー、メアリー・ダパラニー、遠藤薫、潘逸舟、河原温、バイロン・キム、アンドレ・コマツ、小杉大介、ミシェック・マサンヴ、三輪美津子、モハンマド・サーミ、百瀬文、奥村雄樹、カズ・オオシロ、プリンツ・ゴラーム、眞田岳彦、笹本晃、塩田千春、横野明日香の22組が明らかにされていた。
これに加え今回、新たに足立智美、AKI INOMATA、荒川修作+マドリン・ギンズ、マルセル・ブロータース、曹斐(ツァオ・フェイ)、シアスター・ゲイツ、許家維(シュウ・ジャウェイ)、バリー・マッギー、ミルク倉庫+ココナッツ、奈良美智、ガブリエル・オロスコ、塩見允枝子、渡辺篤(アイムヒア プロジェクト)といった55組の参加が発表。これで現時点での参加作家は計77組となり、残り数名が3月に追加発表される。
参加作家の男女比は男性44組、女性32組、コレクティブ1組となっており、日本人(日本出身)のアーティストは全体の43パーセント。また、今回は全体の6割が「あいち2022」のための新作となるという。
会場となるのは愛知芸術文化センター、一宮市、常滑市、名古屋市有松地区の4つ。全作家の半数近い38組が作品を発表する愛知芸術文化センターでは、コンセプチュアル・アートの源流や多様なモダニズムとその背景、時間の概念、文字を含む表現、自然界と超自然の力、宇宙空間といったキーワードが展示構成で重視される。
一宮会場では、本町通りから真清田神社の裏手にある旧一宮市立中央看護専門学校に続くエリアを中心に、18組が展示。祈りや病、誕生、メンタルヘルス、ウェルビーイング、ケア、死生観、自然界と人間の関係が連鎖的に想像されるような展示を予定。愛知県の地形や一宮市の繊維業の歴史などに触れつつ、ノコギリ屋根の工場やモダニズム建築などの文脈も重要なポイントとなる。
焼き物の産地として知られる常滑会場では、「やきもの散歩道」からINAXライブミュージアムに続くエリアに作品を点在させる。常滑の歴史や陶芸と美術、人間と自然、産業や労働と政治経済の関係、人々の移動や移住などをテーマに、12組が参加する。
尾張藩が東海道沿いに開いた街である有松地区では、9組が街並み保存地区に作品を展示。伝統的な手仕事や装飾、各地の先住民コミュニティで継承される造形などを現代美術の文脈で再読・再解釈した作品が集う。