2021.8.5

コロナ「第5波」、地方美術館に影響。金沢や沖縄など相次ぎ臨時休館

東京五輪が開催されるなかで新型コロナウイルスの感染拡大が急拡大している。この「第5波」によって美術館にも臨時休館などの影響が出始めている。

国立工芸館

 新型コロナウイルスの「第5波」が、着実に美術館にも影響を及ぼしている。

 8月2日からまん延防止等措置の適用が始まった石川県金沢市では、金沢21世紀美術館や国立工芸館などが7月31日から8月31日まで臨時休館。谷口吉郎・吉生記念金沢建築館と鈴木大拙館もともに8月31日まで臨時休館となっている。そのほか石川県では、七尾市の石川県能登島ガラス美術館、石川県七尾美術館(ともに31日まで臨時休館)など、広範囲にわたって休館状態となっている。

 広島では広島県立美術館や広島平和記念資料館が8月7日から9月12日まで臨時休館。また沖縄県那覇市では、沖縄県立博物館・美術館が7月22日から7月31日までの臨時休館を8月31日まで延長。浦添市にある浦添市美術館も同じく8月31日まで臨時休館中だ。

 このほか、和歌山県新宮市では新宮市立佐藤春夫記念館や旧西村家住宅(西村伊作記念館)など多数の施設が8月3日から8月31日まで臨時休館などとなっている。

 もっとも感染者数の多い都内ではこうした臨時休館はまだ見られないが、政府の新型コロナ感染症対策分科会・尾身茂会長は都内新規感染者数が最悪の場合で1日1万人になるとの見通しを示している。感染状況次第ではふたたび多くの美術館・博物館が休館となる可能性も捨てきれない。