フランス文化省は、ルーヴル美術館の新館長にオランジュリー美術館の館長を務めていたローランス・デ・カールを任命した。これにより、デ・カールは1793年開館のルーヴル美術館史上初の女性館長となる。
デ・カールは、オランジュリー美術館の館長や、ルーヴル・アブダビのプロジェクトを担当するアージェンス・フランス・ミュージアムの科学ディレクターを経て、現在、オルセー美術館とオランジュリー美術館の総裁であり、遺産担当の総合学芸員も務めている。
今年9月1日に就任するデ・カールについて、フランス文化省は次のように期待を寄せている。「彼女は古代芸術と現代世界との対話を最優先事項のひとつとし、より多くの人々へに発信していくことをつねに意識している。(コロナ禍による)危機に晒されている若者たちを美術館のコミュニティーの中心に据えるとともに、国際的なパートナーシップを重視した野心的な文化プログラムのために、新たな協力関係を構築することにも意欲的に取り組むだろう」。
なおこれまで8年以上同館館長を務めたジャン=リュック・マルティネズは、9月1日より遺産分野の国際協力担当大使に任命。同省は、「マルティネズは、2期の任期中、積極的な仲介や館内の接客環境の改善などの方針により、年間1000万人を超える来館者数を増やし、新たな観客を獲得することができた。また、とくにルーヴル・アブダビの目覚ましい成功により、ルーヴルの国際的な影響力を強化した」と評価している。