現存画家のオークション記録を保有しているアーティスト、デイヴィッド・ホックニー。その新しいデジタル・アート作品が、5月1日〜31日にニューヨーク、ロンドン、東京、ソウルの4都市の屋外ビジョンで公開される。
《Remember you can't look at the sun or death for very long》と題された同作は、フランスのノルマンディー地方で隔離中のホックニーがiPadを使って制作したもの。太陽がゆっくりと暗い地平線を越え、地面に影を落としながらも空や風景に色を染め、太陽の光がスクリーンに劇的に広がると、どんどん明るくなっていくというシーンが描かれており、デジタルの日の出を通じて希望を表現した作品だ。
5月中に毎晩3分間、同作はニューヨークのタイムズ・スクエアにある70以上のスクリーン(現地時間23時57分)をはじめ、ロンドンのピカデリー・ライツ(同20時21分)、東京・新宿のユニカビジョン(同9時)、ソウルのコエックスK-POPスクエア(同20時21分)で上映される。
キュレーションを担当したのは、ロンドンを拠点とし、公共空間でデジタル・アートの紹介に取り組むCIRCA。会期中には、同作はCIRCA.ARTのウェブサイトを通じて毎晩20時21分(イギリス時間)に公開。ホックニーによる期間限定のポスターも同サイトで販売され、その収益の70パーセントはアーティストや美術機関への現金助成金に充てられるという。
ホックニーは、同作について次のようにコメントしている。「世界はどのように見えるのか?その美しさを見るためには時間をとらなければならない。私の作品を大画面で見た人たちが、そうしてくれることを願っている」。
訂正:東京の上映時間に変更があり、反映しました。