南三陸町の震災伝承施設、ボルタンスキーが展示制作へ。22年春開館予定

宮城県の南三陸町は、2022年春開館予定の震災伝承施設において、クリスチャン・ボルタンスキーが展示制作を行うことを明らかにした。すでに契約は締結済みだという。

クリスチャン・ボルタンスキー 撮影=稲葉真

 東日本大震災で被災した宮城県南三陸町が、2022年春の開館を目指す震災伝承館。その内部に、クリスチャン・ボルタンスキーによる作品が展示される。

 2018年に基本計画が定められたこの震災伝承館は、志津川地区で整備が進められているもので、防災学習などラーニング・プログラムなどを行う施設。ボルタンスキーの作品は同館の一部として展示される予定で、南三陸町によるとすでにアーティストとの契約は締結済みだという。

 同町企画課の及川明課長は、南三陸町としてアーティストとの契約は初めてとしながら、「命の尊厳を伝えるためにボルタンスキー氏は適任だと判断した」とコメントしている。

 ボルタンスキーは歴史や記憶、人間の存在の痕跡をテーマに作品を生み出し続ける世界的なアーティストであり、19年には過去最大規模の回顧展「Lifetime」を国立新美術館などで開催し、大きな注目を集めた。

 国内における常設作品としては、瀬戸内海の豊島にある《心臓音のアーカイブ》や《ささやきの森》、あるいは越後妻有の《最後の教室》がある。

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