黒瀬陽平によるセクシュアルハラスメントと、合同会社カオスラによる組織的パワーハラスメントの被害を受けた安西彩乃の支援を目的とする団体「Be with Ayano Anzai」が立ち上げられた。
本件の発覚は2020年7月23日。株式会社ゲンロンが「ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校」の事業において、「重大な契約違反を確認」したとしてカオスラとの契約解除を発表。その翌日、カオスラはアシスタントスタッフへのパワーハラスメントがあったとして黒瀬の退任を発表、第三者による調査・報告を行うとしていた。
8月1日、被害を受けた安西彩乃が「note」上でハラスメントの詳細について告発。その後の10月20日、カオスラは一転して、7月24日のプレスリリースにおけるハラスメントについての記載が「不正確」だったという声明を発表。安西を訴える旨を明らかにした。
そしてカオスラは第三者による調査を行わないまま、安西を提訴。名誉毀損の被害を主張し、安西とnote株式会社に対して記事の削除を、安西に対して賠償金500万円の支払いを求めている。現在、安西は弁護士費用などをひとりで背負っている状況だ。
「Be with Ayano Anzai」はこうした経緯を踏まえ、安西と対話を重ねながらサポートを行ってきた有志を中心に立ち上げ。未来の美術業界におけるハラスメント問題の抑止につなげ、また被害者が声を上げる際に参照できる共有知にしたい、という安西の思いから、裁判などの経緯をウェブサイト上で更新していくという。
加えてウェブサイトではハラスメントの詳細な経緯や、安西の思い、訴訟に関する文書などを公開。また、民事訴訟や情報発信、被害回復にかかる費用の支援を募っている。