新型コロナウイルスの影響で今年の開催が中止されたニューヨークを代表するアートフェア「フリーズ・ニューヨーク」が、2021年5月5日〜9日にニューヨークのアートセンター「ザ・シェッド」で開催される。
フリーズ・アートフェアは2003年にロンドンに設立。フリーズ・ニューヨークは12年にニューヨークのワーズ島で初めて開催。毎年約200のギャラリーが参加してきた。
いっぽう、19年にニューヨーク・マンハッタンに新たにオープンしたザ・シェッドは、舞台芸術、ビジュアルアート、ポップカルチャーなどの活動を委託、制作、上演する複合文化施設。8階建ての建築物は、2階にわたる展示スペースや、天窓のあるイベントスペース、そして多目的シアター、クリエイティブラボなどで構成されており、ベースビルの位置から広場に伸縮できる可動式のスチール製の外殻が特徴的なデザインだ。
長引く新型コロナウイルスの影響で、21年のフリーズ・ニューヨークの参加ギャラリー数はわずか60。いっぽうで、今年の開催中止を受けて設立されたオンライン・ビューイング・ルームは、リアルなアートフェアとともに開催される。
フリーズ・アートフェアのグローバル・ディレクター、ビクトリア・シダルは、来年のフリーズ・ニューヨークについて次のようにコメントしている。「いまは、創造性、柔軟性、コラボレーションの時代だ。これらのことは、世界中のギャラリーと鑑賞者をつなぐオンラインの『フリーズ・ビューイング・ルーム』とともに、小規模なフェアをザ・シェッドで開催するというエキサイティングな機会につながっている」。
規模が縮小するにかかわらず、来年のフェアでは、新進気鋭のギャラリーに焦点を当てる「フレーム」セクションや、コラボレーション、特別企画、トークイベントなどのプログラムも展開予定だ。
フリーズ・ニューヨークのプログラム・ディレクターであるローリング・ランドルフはこう続ける。「フリーズ・ニューヨークが、2021年のプログラムに反映されるような、革新的でコミュニティ主導の性質を持ち続けることを誇りに思っている」。