ニューヨーク、ロンドン、香港など世界各地で17のギャラリーを運営しているギャラリー・ガゴシアンが、新しいライブストリーミングシリーズ「Gagosian Premieres」を立ち上げた。
同シリーズは、ギャラリーの展覧会オープニングをアーティスト・トークや、展示作品にインスパイアされて作曲された音楽のパフォーマンスなどとともに、オンラインで公開するもの。10月9日には、初回としてアーティストのメアリー・ウェザーフォードと作家であり批評家でもあるハンター・ドロホホフスカ・フィルプによる対談や、ガゴシアン・ロンドンでのウェザーフォードの個展でミュージシャンのサーストン・ムーアによるパフォーマンスが公開された。
同ギャラリーのパブリケーションズ・ディレクターであるアリソン・マクドナルドは、「(新型コロナウイルスの影響で)ギャラリーのアーティストは、数年かけて新しい作品を制作したあと、その展覧会を直接見ることができないことがよくある」としつつ、同シリーズは「物理的な距離が離れているこの困難な時期に、ギャラリーのアーティストとその鑑賞者がオンラインで新しい展覧会を一緒に祝うユニークな機会を提供している」と語っている。
「現在のところ、アート鑑賞は地元の鑑賞者かオンラインでの鑑賞に限られている。このプログラムは、展覧会のオープニングに参加したり、作品を実際に見たり、作家に会ったり、パフォーマンスを見たりすることで、より深いレベルでアートを体験してもらうことを目的としている」。
各エピソードは15分〜20分程度。現時点では、メアリー・ウェザーフォードのエピソードに加え、グレゴリー・クレウドソンとタイタス・カファーの作品を取り上げたエピソードを10月から11月にかけて放送する予定だ。
パンデミックのなかで同シリーズを立ち上げた意義について、マクドナルドはこう続ける。「ラリー・ガゴシアンは長いあいだ、出版部門や様々なメディアへの投資を行ってきた。その歴史的なコミットメントがあったからこそ、この危機的な状況のなかで、何かを一からつくりあげるのではなく、拍車をかけることができたのだと思う。鑑賞者にとっては、このシリーズがエンターテインメント性と有益性の両方を兼ね備えた意味のあるものになることを期待している」。