今年1月に開館し、現在「ジャム・セッション 鴻池朋子」展や、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の帰国展「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」などを開催中のアーティゾン美術館。同館が、2021年の展覧会スケジュールを発表した。
まず、11月14日から開催されるのが「琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術」だ(2021年1月24日まで、展示替えあり)。俵屋宗達や尾形光琳らが京都の町人文化として生み出した琳派と、パリを中心にマネやモネ、セザンヌらが起こした印象派。本展では、東西の美術を「都市文化」というキーワードから再考し、約100点の巨匠たちの作品を展覧する。
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展示期間=後期(2020年12月22日〜2021年1月24日)
続く「Steps Ahead Recent Acquisitions」(2月13日~5月9日)は、全館を使って新たなコレクションを紹介する展覧会だ。同館は近年、印象派や日本近代洋画など従来の軸となるコレクションを充実させるいっぽう、抽象表現を中心とする20世紀初頭から現代までの美術など、その幅を広げている。本展では、アンリ・マティスのドローイングや、抽象表現主義の女性画家たち、瀧口修造と実験工房など、新収蔵品約120点を含む約250点を紹介する。
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また今年開催予定だったものの、コロナ禍で延期となった「クロード・モネ ―風景への問いかけ」は5月29日~9月10日に開催。オルセー美術館主席学芸員・学芸部長のシルヴィー・パトリが監修を務め、モネの風景画の全貌を伝える展覧会となる。
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Photo© RMN-Grand Palais (musée d'Orsay) / Hervé Lewandowski / distributed by AMF
その後は、石橋財団コレクションと現代美術家の共演「ジャム・セッション」の2回目となる「M式『海の幸』ー森村泰昌 ワタシガタリの神話」が開催(10月2日~2022年1月10日)。制作を通して青木繁作品に密かな想いを寄せてきた森村が、青木の《海の幸》(1904)と本格的に向き合い、新たなシリーズへと昇華させる。加えて、美術館や石橋財団アートリサーチセンターが積み重ねてきた様々な教育普及活動を、代表的な美術作品とともに紹介する「『教育普及活動』ってなに? ー生きている美術館」が同時開催となる。
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また、「石橋財団コレクション選 特集コーナー展示」は「青木繁、坂本繁二郎、古賀春江とその時代 久留米をめぐる画家たち」(2020年11月3日~2021年1月24日)、「マリノ・マリーニの彫刻と版画」(5月29日~9月10日)、「挿絵本にみる20世紀フランスとワイン」(9月22日~2022年1月10日)を予定。企画展とあわせてチェックしてほしい。
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