11月オープンの心斎橋パルコ、アートファンが注目すべきポイントは?

株式会社パルコは11月20日、全国18店舗目のPARCOとして「心斎橋PARCO」をオープンする。約9年ぶりの大阪・心斎橋への出店であり、「新生 渋谷PARCO」「名古屋PARCO」と並ぶ東名阪の基幹店に位置づけられるこの店舗。アートで注目すべきポイントをまとめた。

心斎橋PARCO

「伝統と革新」テーマに建築を一新

 株式会社パルコが11月20日、全国18店舗目のPARCOとして「心斎橋PARCO」をオープンさせる。同店はパルコにとって約9年ぶりの大阪・心斎橋への出店であり、「新生 渋谷PARCO」「名古屋PARCO」と並ぶ東名阪の基幹店に位置づけられる店舗だ。

心斎橋PARCOの外観パース

 心斎橋PARCOは、「ノンエイジ」「ジェンダーレス」「コスモポリタン」をビルターゲットにしており、渋谷PARCOのエッセンス(モード/アニメ/NEW飲食 /アート)に「百貨店」のテーマ(ラグジュアリー /高級飲食/ゴルフ&スポーツ)を加えたもの。地下2階から地上14階に屋上階を含めた17フロアで、大型専門店やシネマコンプレックス、多目的ホール・イベントスペースを有する複合ビルとなる。

 心斎橋PARCOが入る建物は、そごう本店として1877年に開店(設計:村野藤吾)し、2005年にそごう心斎橋本店として新築されたもの。09年のそごう閉店後は「大丸心斎橋本店北館」として使用されてきたが、今回のオープンにあたり全面的にリノベーション。外観デザインでは、隣接する大丸心斎橋店本館のクラシックなヴォーリズスタイルに対し、「ドレープ」で躍動感を表現し、デザインのスカイラインを合わせるなど、2つのビルの景観の調和も図る。

外観正面パース。左が心斎橋PARCOビル

「アート/カルチャー」をテーマのひとつに

 ビルのテーマは、「モノ」「コト」「アート/カルチャー」「テクノロジー」の4つ。ここではとくに「アート/カルチャー」に注目したい。

 パルコが発信する様々なアート/カルチャーを見せる場として、14階には「SPACE 14」(多目的スペース)と「PARCO EVENT HALL」(イベントホール)を配置。オープニングとして、SPACE 14では「Mr. Brainwash EXHIBITION“LIFE IS BEAUTIFUL”」を、PARCO EVENT HALLでは渋谷PARCOで開催された「GLOBAL POP UNDERGROUND」を踏襲した、「JP POP UNDERGROUND」を開催する。

 また同フロアの大型吹き抜けには、ARを活用したバーチャルインスタレーションを展示するという。

XRテクノロジーによる体験型アート/14階(XRコンテンツアワード「NEWVIEW AWARDS 2019」PARCO Prize受賞・オノ夏キとのコラボワークを展示)

館内には多数のパブリック・アート

 心斎橋PARCOでは、「アートをもっと身近に」をテーマに、様々なパブリック・アートを各階展示。

 大阪のクリエイターとの協業としては、東學(地下2階)、TEAMクラプトン(地下1階) 、graf (1階)、infix design inc.(4階)、cafe co.(13階)などがラインナップされている。

 また、エスカレーターサイドの特徴的なライムストーン(天然石材)によるデザインを1~2階、8~9階に残し、1~2階の壁面にはペイントを加え、新たな「伝統と革新」のアート表現の場として活用。

 また1階床面には、御堂筋の銀杏並木にちなんで既存ビルの1階エレベーターホールで使用されていた銀杏の象嵌タイルを残す。

 もちろん五十嵐威暢がデザインしたパルコネオンサインも忘れてはいけない。1981年の旧「渋谷PARCO・パート3」 オープンの際に誕生し、パルコファンに親しまれてきたロゴサインを、作品として恒常的に展示。地下2階には「A」、13階には 「O」の文字が設置される。

地下2階のパルコネオンサイン「A」
13階共用部のパルコネオンサイン「O」

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