東京・渋谷のNANZUKAギャラリーがキュレーションしたグループ展「GLOBAL POP UNDERGROUND」が、7月4日に渋谷パルコ4階の「PARCO MUSEUM TOKYO」で開幕した。
本展は、2019年にロサンゼルスとニューヨークのジェフリー・ダイチ・ギャラリーで開催された「Tokyo Pop Underground」のコンセプトを踏襲し、「Underground」を切り口に再構成したもの。空山基や田名網敬一、ジェームス・ジャービス、キャサリン・バーンハートなど、NANZUKAのグローバルなアーティスト21人が参加している。
本展の意図について、NANZUKAの代表・南塚真史は次のように語っている。「60年代や70年代からコマーシャル系の仕事をしながら作品をつくってきた人は、『アートのためのアート』というファインアートのカテゴリーに入っていないと、日本でよく言われている。僕はこのような作家が好きだったので、東京でギャラリーをオープンしたときに、ファインアートに属さない作家の作品を取り扱い始めた」。
南塚はこう続ける。「そのような作家の作品を日本で発表するとき、日本の権威はどうせ理解しないだろうと思うので、海外のアートフェアやギャラリーで展示するなど、積極的に取り組んできた。その結果、海外の作家が評価し始め、リスベクトしてくれたのだ」。
本展は、こうした流れのなかで、ここ3~4年でコマーシャルなアートシーンで活動し、現代美術の文脈でも評価され始めたアーティストたちを一堂に紹介するもの。南塚は「日本と海外のこのような作家たちを、ひとつの場所で展示する企画だ」と意気込む。
なお渋谷パルコ1階のスペイン坂広場には、空山基による高さ7メートルのパブリック・アート作品《Sexy Robot》も登場。18年のディオール・オムのランウェイで、空山が12メートルを超えた巨大な「セクシーロボット」を発表したことはまだ記憶に新しい。今回は、同じシリーズの大規模な作品を初めて一般公開するものだ。
東京から発信され、世界的に評価されているポップ・アンダーグラウンドのアートシーンを、ぜひ足を運んで目撃してほしい。