緊急事態宣言の解除に伴い、6月より全国の美術館やギャラリーが順次再開している。同様に開催の延期をしてきた国内の主要アートオークションも、今月より順次再開されることとなった。
SBIアートオークションは、「第37回モダン&コンテンポラリーアートセール」の開催を4月25日に予定していたが、同オークションを7月のオークションと統合し、6月19、20日の2日間にわたって東京・代官山のヒルサイドフォーラムで開催する。
奈良美智の犬小屋をモチーフにした立体作品《Dogs from Your Childhood (Nara S-2000-005)》(2000)が予想落札価格4000万〜7000万円で出品予定となっており、他にも草間彌生やKAWSなどの人気作品が名を連ねる。
シンワオークションは3月28日に開催予定だった「近代美術/近代美術PartⅡオークション」と「戦後美術&CONTEMPORARY ARTオークション」を東京・銀座の会場で6月6日に開催。先日逝去したクリストのリトグラフ作品や、戦後日本の抽象画を牽引した山口長男の作品が注目を集めそうだ。
シンワオークションは開催にあたり、オークション会場・下見会会場への入場は予約制とし、入札にあたっては来場以外の書面、オンライン、電話といった入札方法の利用を呼びかけている。
マレットジャパンは、開催延期となっていた5月21日のオークションを6月18日に東京・木場の会場で開催。韓国の単色画(ダンセッファ)の系譜に連なる鄭相和(チョン・サンファ)や、藤田嗣治のドローイングなどが目玉となる。
同オークションも感染症対策のために、可能な限り、書面または電話での入札で参加を推奨している。
国内最大級の取り扱い点数を誇るオークションハウス「毎日オークション」は、すでに5月15日と16日にオークションを開催していたが、6月6日に「20周年記念オークション」を開催する。近代から戦後にかけて絵画、版画、彫刻を幅広く取り扱うが、現代美術も草間彌生や元永定正、浅野弥衛といった作家の作品が出品される予定だ。