政府は27日、31兆9114億円に上る第2次補正予算案を閣議決定。文化芸術支援に560億円を計上した。
今回の2次補正で文部科学省(文化庁)は、「文化芸術・スポーツ活動への緊急総合支援」として580億円を計上。このうちスポーツイベント支援の20億円をのぞく560億円が、文化芸術支援に充てられるかたちだ。
560億円のうち509億円は「文化芸術・スポーツ活動の継続支援」。舞台芸術等の活動自粛を余儀なくされたフリーランスを含む文化芸術・スポーツ関係団体等に対し、活動の継続に必要な経費を支援する。個人や団体に、最大150万円の支援を行う方針となっている。
また50億円は「文化芸術収益力強化事業」として計上。新型コロナウイルスで大きな影響を受けている舞台芸術等において、新しい鑑賞環境の確立などの収益力確保・強化の取り組みに対して充てられる。
これまで政府は、新型コロナウイルスにおける文化関連の対策として、キャンセルとなったイベント代金を払い戻さないことで税優遇をする制度を創設。また4月30日に成立した第1次補正予算では、美術館など文化施設の感染症対策に21億円を、文化施設の収益力強化に14億円を計上したものの、アーティストや芸術団体に特化した直接的な経済補償は行われてこなかった。
すでに、東京都をはじめとする各地方自治体では、アーティストや芸術団体に対する独自の支援策が講じられているが、ようやく国が重い腰を上げたかたちとなる。
なおこれとは別に、文部科学省所管の独立行政法人日本芸術文化振興会が一般からの寄付を募る「文化芸術復興創造基金」を創設するなどの動きも見られる。