新型コロナウイルスに影響でロックダウンが続く、フランスの首都パリ。ファッションの都でもあるここに本社を置くルイ・ヴィトンが、そのファサードをアートで囲むプロジェクトをスタートさせた。
今回、ルイ・ヴィトン本社ファサードに作品を展示したのは、フランス南西部の街オスゴールを拠点として活動するラッキーレフトハンド(スティーブン・バーク)。グラフィックデザインの分野で15年のキャリアを持つラッキーレフトハンドの作品には、人類をもっとも普遍的なかたちで表現したシンボルとして、「ハンド」モチーフがしばしば用いられる。
ルイ・ヴィトン本社の280平米ものファサードを覆うのは14枚の絵画。「ハンド」モチーフは互いに約1メートル半離して描かれており、「物理的に離れていても精神的にはつながっている」というパンデミック下のソーシャルディスタンスを象徴するものだ。ラッキーレフトハンドは本作について、次のようにコメントしている。
「私は、この壁画を制作するにあたり、パリの人々が14枚の窓を通り過ぎながら、カラフルな散歩を楽しめるようにしたいと考えました。この作品は、現在、私たちが体験しているこの一時的な期間を表現しながらも、人々が夏のバカンスへと想いを馳せることができるようにという願いが込められています。互いに1メートル半離れた距離に描かれた 『ハンド』は、私たちが現在置かれている状況を象徴しています。この壁画の鮮やかで明るい色使いと大きな曲線で描かれた虹が、私たち皆がいま必要としているポジティブなエネルギーをもたらすことを願っています」。
なおルイ・ヴィトンは新型コロナウイルスに関連し、医療従事者のために医療用ガウンやマスクを生産したことでも話題を集めている。