新型コロナウイルスの影響によりギャラリーの開廊が叶わないなか、東京・恵比寿のMA2 Galleryがギャラリーの窓を生かし、通りを歩く人々のために展覧会「WINDOW GALLERY」を開催している。
「WINDOW GALLERY」は、MA2 Galleryの取り扱いアーティストである、袴田京太朗の提案から始まったもの。新型コロナウイルスの影響により多くのアーティストの展示機会が失われているなか、袴田がアトリエに保管されている自作を、人々の目に触れるかたちで展示できないかという提案から生まれた。
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袴田京太朗は1963年静岡県生まれ。近年は「複製」をテーマに、既製品の一部にカラフルなアクリル板を重ね合わせた人型のシリーズを制作。彫刻の表面とその内部、本物と偽物の関係性を問う作品を発表している。
MA2 Galleryは、通りに面した大きな窓から内部の展示作品を観覧できるように、カーテンを開放。24時間照明をつけ、夜間でも通行する人がギャラリー内部を覗いて作品を見られるようにしている。
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MA2 Galleryは本展について以下のようにコメントしている。「ギャラリーのアイコンである窓のカーテンが閉まっていると、それだけでアートの扉が閉ざされているようで閉塞感があった。自粛要請のなか、生活のためにギャラリーの前の通りを歩く人が、少しでも作品に触れられる機会になれば。また、誰かがこの展示を知ることで、良い影響が広がれば良いと思っている」。
本展示の継続期間は決まっていないが、MA2 Galleryでは取り扱い作家とともに、今後もどういったアクションができるかを考え続けていきたいとしている。