美術家の山崎つる子が6月12日、肺炎で逝去した。享年94歳。
山崎は1925年兵庫県芦屋市生まれ。1954年、戦後の抽象美術の隆盛のなかで吉原治良が代表となり結成された「具体美術協会」に参加。創設メンバー17名のうちのひとりとしても知られる。結成翌年に行われた第1回具体美術展では、 染料を定着させたブリキ缶をランダムに配置する作品《ブリキ缶》(1955)などを出品。
50年代後半からは主にキャンバスを支持体とするカラフルな抽象画、70年代後半からは、玩具製品やゴリラ、犬、豚といった動物などのモチーフが画面上に繰り返し展開されるシリーズを手がけた。そして2000年代以降はふたたびブリキによる作品シリーズを制作。
そうした作家活動と並行し、50年代半ばより2011年頃まで、子供を対象とした美術教室に携わっていた。
現在、山崎の作品は芦屋市立美術博物館や金沢21世紀美術館、2021年オープンの大阪中之島美術館などに収蔵されている。また、6月15日から「ハーシュホーン博物館と彫刻の庭」(アメリカ、ワシントンD.C.)で行われる「Manifesto: Art x Agency」展に2020年1月5日まで作品を出品予定だという。