日本の写真界や、写真文化に顕著な貢献をした個人や団体に対して贈られる「日本写真協会賞受賞者」。1952年から始まったこの賞の、今年の受賞者が決定した。
大賞にあたる作家賞は、石川真生(まお)が受賞。石川は1953年、米軍治下の沖縄に生まれ、基地近くの外国人バーで働く女性たちや米兵の姿を撮影するなど、約40年間にわたって沖縄住む人々に寄り添い、沖縄の素顔に向き合い続けてきた。
協会は選考理由として、「70年代から沖縄米軍基地周辺で懸命に生きる女性たちの姿を捉えた『FENCES,OKINAWA』をはじめ数々の個展や写真集を発表し続け、2018年丸木美術館が催した「石川真生 大琉球写真絵巻」展で今日までの沖縄、苦悩の歴史を綴った不屈の創作力に対して」賞を授与したと発表している。
新人賞は、2000年頃より市井に生きる女性の人生を聞き取り、ポートレイトを撮り続けるインベカヲリ★と、肉眼ではとらえきれない、海を漂う小さな生物の世界を写真に収めてきた峯水亮の2名が受賞。
そのほか功労賞には富岡畦草と原直久、学芸賞には港千尋、国際賞として「THE JAPANESE PHOTO BOOK:1912-1990」マンフレッド・ハイティング/金子隆一の受賞が決定した。
6月1日の「写真の日」には、賞の表彰が行われる予定だという。