米軍治下の沖縄に生まれ、基地近くの外国人バーで働く女性たちや米兵の姿を撮影するなど、約40年間にわたって沖縄を撮り続けてきた石川真生。沖縄に住む人々に寄り添い、沖縄の素顔を撮影した写真は国内外で高い評価を受けている。
薩摩藩の琉球侵攻から沖縄戦、新米軍基地建設問題まで400年にまで及ぶ、沖縄の苦難の歴史を学んだ石川は、歴史上の場面を再現し創作写真として撮影するという手法で、全4巻、長さ120メートルの壮大な「大琉球写真絵巻」を制作。沖縄の人たちの不屈の魂と抵抗の歴史を表現した。「大琉球写真絵巻」にはストレートな怒りや風刺の効いたユーモアもあり、石川の様々な視点が盛り込まれている。本展では1巻から4巻まで「大琉球写真絵巻」の全巻が東京で初めて公開される。
2月10日には石川が原爆の図 丸木美術館にてオープニングトークを開催。「大琉球写真絵巻」と加えて、沖縄の歴史を知ることができる機会となるだろう。