オリンピックを翌年控えた2019年の東京を舞台にした大友克洋によるSFコミック『AKIRA』。同作は1988年に映画化もされ、いまなお世界的に高い支持を集める作品だ。
この舞台とリンクするような現代、12月23日からNHKで放送されるNHKスペシャル『シリーズ「東京リボーン」』に、『AKIRA』の制作に携わったクリエイターが集結した。
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『シリーズ「東京リボーン」』は、戦争からの復興、そして高度成長期に続く3度目の大変貌の最中にある東京にフォーカスし、人々の頭脳戦や人間ドラマを織り交ぜながら、巨大開発の壮大なスペクタクルを全6回シリーズで描くもの。
大友自らがデザイン監修を務め、テーマ音楽は映画『AKIRA』の音楽を担当した芸能山城組の組頭で作曲家の山城祥二が担当。また題字は『AKIRA』の文字を手がけた劇画家の平田弘史が務めるなど、『AKIRA』の世界観がそのまま再現されたような構成になっている。
大友は今回の番組制作に当たり、次のようなコメントを残している。
東京好きですよ。すごく好きなんです。東京は、常に変化している。都市は生きものだから、それはしょうがないんじゃないですか。だから人々の生き方やスタイルが少しずつ変わっていくんじゃないでしょうか。新しい東京を、新しい人たちが創っていくべきだと思います。これが今回の番組の、テーマなんじゃないかなと思っています。昭和の残滓ざんしを全部切り捨てて、新しいものをつくり上げるということ。東京はいつもそんなふうでなきゃいけないんですよ。
2020年を目前に控えたいまだからこそ見ておきたい番組になりそうだ。
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