過去最多となる20点以上のグスタフ・クリムト(1862〜1918)の油彩画が揃う「クリムト展 ウィーンと日本 1900」。この展覧会において、ローマ国立近代美術館所蔵の《女の三世代》(1905)の出品が決定した。同作はこれが日本初公開となる。
縦横約170cmのこの作品は、壁画などを別にすればクリムト最大の絵画のひとつで、完成度も極めて高い作品とされている。
描かれているのは、安らかに眠る幼子と、その子供を抱く若い裸体の女性、そして老醜を恥じるように顔を手で覆った年老いた女性。3人の背後は灰色と黒の平面で、死あるいは滅びの象徴的表現ともみることができる。クリムトが深い関心を寄せた生命の円環をテーマに、人間の一生を幼年期、青年期、老年期の3段階に分けて寓意的に表す作品だ。
すでに《ユディトⅠ》(1901)や《ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)》(1899)などが出品されることで話題のクリムト展。いっそう大きな注目が集まることは間違いないだろう。
※2019年2月7日追記
「クリムト展」のスペシャルサポーターに稲垣吾郎が就任。音声ガイドにも初挑戦することが発表された。コメントは以下の通り。
このたび、ウィーン世紀末の画家グスタフ・クリムトの展覧会でスペシャルサポーターに就任することになりました。 昨春ウィーンを訪れた際に彼の作品を鑑賞し、その華やかさや繊細さ、圧倒的な存在感に心を奪われたので、不思議な縁を感じています。 僕は舞台でベートーヴェンを演じましたが、クリムトが第九をテーマに描いた全長34メートルの壁画の複製も展示されるそうで、その空間に身を置くことがいまから待ち遠しいです。今回は音声ガイドにも初挑戦しますので、ぜひご期待ください。