ドイツの芸術祭でトルコ・エルドアン大統領の像が撤去へ
ドイツ・ウィースバーデンで9月2日まで開催中のウィースバーデン・ビエンナーレ。「悪いニュース」がテーマの芸術祭の一環で設置されたトルコのエルドアン大統領像に地元住民から抗議が殺到し、8月29日に撤去された。
かつてイラク国内に設置されたサダム・フセインの像を思い起こさせるポーズをとる、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアンの像。「悪いニュース」をテーマに8月23日にスタートしたドイツの芸術祭「ウィースバーデン・ビエンナーレ」の出品作のひとつとして設置された4メートルにおよぶ像が、地元住民の抗議を受け29日に撤去された。
ドイツでは「独裁者」として広く認識されているというエルドアン大統領。この像が設置されると、すぐさまSNSなどをとおして「悪趣味」などの意見が拡散。像には「トルコのヒトラー」と落書きされ、住民数百人が撤去を求める抗議デモに発展した。
この騒動を受け、市の広報担当者は「像がエルドアンであることに気づかなかった」と釈明。いっぽう、ビエンナーレ会場のひとつであるウィスバーデン州立劇場の芸術監督、ウヴェ・エリック・ラウフェンベルクは「表現の自由。エルドアンに対する議論するためにこの像は設置された」として表現の自由を主張した。
しかし抗議の声は日に日に強まり、8月29日に像は撤去。本件に関して、現時点でビエンナーレの主催者は声明を出していない。