今年、「ルドン−秘密の花園」展で注目を集めた東京・丸の内の三菱一号館美術館が、2019年に開催する展覧会のラインナップを公表した。
18年10月17日から19年2月11日までの会期で開催されるのは、米国でもっとも優れた私立美術館の一つとして知られるワシントンのフィリップス・コレクションの所蔵品を紹介する「フィリップス・コレクション展」だ。同展では、今年創設100周年を迎えた同館の近代美術コレクションのなかから、アングル、コロー、ドラクロワなど19世紀の巨匠から、クールベ、マネ、モネ、そして印象派以降の絵画を牽引したセザンヌ、ゴーギャン、クレー、ピカソなど75点が展覧される。
これに次いで行われるのが、19年3月14日~6月9日の「ラファエル前派の軌跡展(仮)」だ。1848年、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティやジョン・エヴァレット・ミレイらによって結成されたラファエル前派兄弟団(ラファエル前派)。本展では、イギリスやアメリカの美術館が所蔵する油彩画や水彩画、素描、ステンドグラス、タペストリ、家具など約150点を展示。ラファエル前派を評価し、交流を持ったジョン・ラスキンを軸に、ラスキンが見いだした前衛芸術家たちの作品が集うという。現時点で判明している出品作家はウィリアム・ターナー、ダンテゲイブリエル・ロセッティなど。
19年7月6日~10月6日までは、三菱一号館美術館の特徴でもあるファッションに関連した展覧会「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展(仮)」が行われる。マリアノ・フォルチュニ(1871〜1949)は、軽くてしなやかな「デルフォス」(繊細なプリーツを施した絹サテンのドレス)で20世紀初頭の服飾界の寵児となった人物。本展では、フォルチュニの邸宅兼アトリエを美術館として公開しているフォルチュニ美術館(ヴェネチア)全面協力のもと、フォルチュニ芸術の真骨頂である絹地のドレスやコートなどの服飾作品を軸に、絵画、版画、写真、舞台関連作品のほか、フォルチュニが蒐集した日本の染め型紙を含むデザイン関連資料等を総合的に展覧。その全貌に迫る内容となる。