寺田倉庫が「モンブラン国際文化賞受賞」を受賞。日本の受賞者としては初の法人格

1992年にモンブラン文化財団によって創設された「モンブラン国際文化賞」は、芸術および文化の発展・繁栄のために無私無欲で惜しみない支援活動をしているアートパトロンへ、その傑出した功績を称える証として毎年授与されるアワード。2018年は、日本の法人格としては初となる寺田倉庫の受賞が発表された。

寺田倉庫本社

 「モンブラン国際文化賞」は、モンブラン文化財団によって1992年より毎年実施されているアワード。文化芸術の分野において、長年にわたり情熱と強いヴィジョンを持って若い才能の育成や、アーティストの活動をサポートし続けている個人または団体の栄誉をたたえてきた。同賞は創設以来、イギリス皇太子をはじめ、イギリス出身の指揮者サイモン・ラトル、フランスのファッションデザイナー、アニエス・ベー、イタリアを代表する建築家レンゾ・ピアノなどを顕彰。日本ではオノ・ヨーコをはじめ、市川猿翁、小澤征爾、坂本龍一などが受賞してきた。

 そんな「モンブラン国際文化賞」の今年度の受賞者が発表され、日本からは寺田倉庫が受賞を果たした。日本における同賞の受賞者としては初の法人格だ。

 寺田倉庫の受賞理由は、「天王洲エリアリバイバルなど、新たなタイプのアートパトロンとしてのダイナミズムに対して」。日本のアートシーンにおいて、寺田倉庫の活動の数々は「未来の新しい形のアートパトロンの役割を示唆している」ということや、17年に開催された「DAVID BOWIE is ― デヴィッド・ボウイ大回顧展」など、倉庫空間を活かした自社スペースで展覧会が開催できる注目のスポットということが評価された。

 ほかにも、若手アーティストを支援することを目的としたアートアワードの開催、希少性の高い画材を集めた画材ラボ、レンタルアトリエ、アート作品の運送・展示・保管・修復をワンストップサービスで提供するなど、天王洲エリアをアートの中心地として発展させた業績や、音楽の分野においても17年10月に、世界中の音楽家のライフスタイルを変えうる電子楽譜専用端末「GVIDO」を発売したことなども評価されたポイントだという。日本における同賞の受賞者としては初の法人格となる寺田倉庫の、今後のさらなる発展に注目したい。

 なお、18年の日本のノミネーター(推薦人)は、ビジュアルデザインスタジオ・wOw代表の高橋裕士、ギャラリストの小山登美夫、ドイツ在住のアーティスト・塩田千春の3名が務めた。

 またこのほかの主な受賞者は、フランスのサンドラ・ヘジェダス(SAM アートプロジェクト)、ドイツのユルゲン・ウェセナー(前衛芸術家の支援)、中国の広州時代美術館(コンテンポラリーアートの普及)など、さまざまな人物・団体が受賞している。

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