精緻なドローイングとサイケデリックな色彩によって混沌とした世界を描き出した、日本を代表する個人アニメーション作家・相原信洋(1944〜2011)。アニメーションの世界にとどまらず、実験映画にも通じるアヴァンギャルドな映像世界で多くのアーティストに影響を与えた。
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70本におよぶその膨大な作品群は、2016年よりフィルム整理とデジタル化が進められていたが、このたびすべての作業が完了。アニメーションの枠組みを超えて外の世界に拡張してゆく『Stone』(1975)や、現実の手の影と描かれた手のイメージが交差する『映像(かげ)』(1987)などを含む全作品が、年代ごとに5プログラムに分けて一挙上映される。
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また、上映に合わせて、ひらのりょう(アニメーション作家)、土居伸彰(ニューディアー代表、新千歳空港国際アニメーション映画祭)、木下小夜子(広島国際アニメーションフェスティバル)、牧野惇(P.I.C.S.、映像ディレクター)、石田尚志(美術家・映像作家)、西村智弘(美術・映画評論家)が登壇するトークイベントも開催される。
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