アラン・ビルテレーストは1965年ベルギー生まれ。美術大学卒業後に作家活動を開始したが、後にグラフィックデザイナーへと移行。2004年から作家活動を再開し、デザイナーとしての経験をもとに、タイポグラフィー、ロゴ、公共広告などにおける文化的・歴史的背景や、その関係性への関心を糸口とした制作を行っている。
ビルテレーストが作品に取り入れるのは、トラックの荷台の模様や、マンホールのカバー、フェンスのデザイン、飛行機の尾翼に描かれたロゴなど、都市や郊外で目にする様々なイメージ。それらを解体・再構築して生まれる作品は、一見すると幾何学的で形式的だが、木製パネルに描かれた画面は、筆致や色の重なりによって豊かな表情をたたえている。日本初個展となる本展では、ペインティング約20点を展示する。