狩野哲郎は、1980年宮城県生まれ。石や木の枝などの自然素材や、ゴムホースや釣り具などの既製品を用いたインスタレーション、絵画、彫刻などを制作している。
狩野の作品の特徴は、人間とはまったく別の「他者」の視線を導入することにある。例えば、個展「Nature/Ideals」(2015年、資生堂ギャラリー)では、会場に鳥を放ち、鳥の環境と人間が見る風景とを対比させた。
今回の公開制作では、狩野が大量に持ち込んだ素材を選別し、加工方法を検討し、色やかたちを吟味するなど、さまざまな取捨選択を行っていく実際の制作プロセスを、間近で目にすることができる。
会期中には、ともに同世代の美術作家である、今井俊介、青田真也をゲストに迎え、アーティストトークも開催される。