ニューヨークにあるメトロポリタン美術館で、コスチューム・インスティテュートによる展覧会「Costume Art」が開催される。本展は、衣服によって包まれた身体を中心に据え、同館5000年以上に及ぶ美術コレクションと歴史的・現代のファッション作品を対話的に提示するもの。グレートホールに隣接する新設の「Condé M. Nast Galleries」が会場となる。会期は2026年5月10日〜2027年1月10日。
本展では、先史時代から現代までの西洋美術を主軸とし、時間と文化を越えて繰り返し現れる身体像に注目する。「裸の身体」「古典的な身体」「妊娠した身体」「老いた身体」「解剖学的身体」「死すべき身体」といったテーマごとに構成され、美術作品と衣服を並置することで、衣服と身体が互いをかたちづくる不可分の関係であることを明らかにする狙いだ。
展示空間のデザインは、ニューヨークの建築事務所 Peterson Rich Office(PRO)が担当。新ギャラリーは春季展の拠点となるだけでなく、今後は他部門によるファッションと美術の交差を探る企画展も行われる予定である。開設にあたってはコンデナストをはじめ、トム・ブラウン、マイケル・コースおよびランス・ル・ペールなどからの寄付を受けている。展覧会とあわせ、コスチューム・インスティテュートへの資金調達を目的としたチャリティイベント「Met Gala」は2026年5月4日に実施され、収益は同部門の展覧会や出版、収集活動に充てられる予定だ。
本展の企画はコスチューム・インスティテュート責任キュレーターのアンドリュー・ボルトンが担当する。ボルトンは本展について、ファッションの視覚的華やかさではなく素材性に焦点を当てることで、衣服と身体との結びつきそのものを可視化したいと語る。
なお本展の関連コンテンツとして、The Metよりボルトン執筆によるイラスト付カタログが刊行される。





















