磯崎の功績を考えるうえでは、戦後日本美術や現代美術との関わりも重要となる。《奈義町現代美術館》(岡山、1994)、《ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ》(2011-13、アニッシュ・カプーアと協働)のようなアーティストとコラボレーションした建築プロジェクトや、パリ装飾美術館で開催された「間展」(1978-79、79に米クーパー・ヒューイット美術館巡回後、海外4都市で開催)のキュレーションなども紹介。


さらに、磯崎は建築模型や図面以外の様々なメディアで自身の作品を発表したことでも知られている。本展では群馬県立近代美術館などの70年代の主要建築をシルクスクリーンとして遺した「還元」シリーズ(1983)、そして80年代後半から90年代前半に手がけた建築をモチーフにした24点の水彩画(1994)を発表。また、磯崎は欧州、アメリカ、アジアをはじめとする世界の旅先で古典建築やモダニズム建築等を訪れ、その姿を70冊以上にもおよぶスケッチブックも残した。これらスケッチブックには旅の記録だけではなく当時、手掛けていた建築や展覧会そして執筆活動などの構想も残されています。会場では磯崎のインスピレーションの源泉となった膨大な数のスケッチからその一部が紹介される。




















