建築家・磯崎新の没後、国内初となる大規模回顧展「磯崎新:群島としての建築」。11月1日より水戸芸術館で開催【2/4ページ】

 国内外の代表作の紹介としては、磯崎が東京大学丹下健三研究室所属時に関わった、アンビルトの都市計画である《東京計画1960》(1961)に始まり、アーバンデザイナーとして提案した《空中都市―新宿計画》(1960-61)、《空中都市―渋谷計画》(1960-62)、《コンピューター・エイディッド・シティ》(1972)などを紹介。また、《大分医師会館》(1959-60)や《福岡相互銀行本店》(1968-71)、《旧大分県立図書館(現・アートプラザ)(1962-6)などの初期作品から、《群馬県立近代美術館》(1971-74)、《北九州市立美術館》(1972-74)、《つくばセンタービル》(1979-83)、《なら100年会館》(1992-98)、《ラ・コルーニャ人間科学館》(1993-95)、《カタール国立コンベンションセンター》(2004-11)など国内外の代表作を紹介する。

東京都新都庁舎計画設計競技 1985-86 1986 シルクスクリーン 80✕120cm ©Estate of Arata Isozaki
つくばセンタービル 1983年竣工 竣工写真 1983 ©Kochi Prefecture, Ishimoto Yasuhiro Photo Center, Photo: Yasuhiro Ishimoto
カタール国立コンベンションセンター 2011年竣工 竣工写真 2011 Photo: Hisao Suzuki

 磯崎は建築のキュレーションともいえる仕事を通じ、ひとりの建築家という枠を超えて建築のプロジェクトを構想した。本展では、多くの建築家を起用した《くまもとアートポリス》(1988-98)、国際的に活躍する国内外の建築家6 名に集合住宅を競作させた《ネクサスワールド》(福岡、1989-91)のコミッショナーといったプロジェクトを通じて、磯崎の建築界における功績も紹介される。

編集部