「猪熊弦一郎博覧会」が丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で4月12日より開催へ。瀬戸芸との連携も

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)で、企画展「猪熊弦一郎博覧会」が開催される。会期は4月12日~7月6日。

香川県庁舎東館陶画 和敬清寂 1958 撮影:高橋章

 香川・丸亀の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)で、企画展「猪熊弦一郎博覧会」が開催される。会期は4月12日~7月6日。

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 外観。設計は建築家・谷口吉生 撮影=増田好郎

 画家として知られる猪熊弦一郎(1902~93)は、著名なアーティストや建築家、デザイナーなどの重要人物と関わりを持ち、自身の絵画世界に止まらない様々な仕事を手がけた。本展は、そういった猪熊の絵画以外の活動を取り上げながらその足跡をたどるものとなる。

 会場は「プロローグ 新制作派協会設立」「1章 生活造型/建築」「2章 生活造型/デザイン、パブリックアート」「3章 ニューヨークへ」「4章 『アート県かがわ』の礎」「5章 MIMOCA」「エピローグ MoMA」の構成。

 1章では、「新制作派協会」の設立や建築家との協働、彫刻家でもあり猪熊の「心友」でもあったイサム・ノグチとの出会い、2章では三越包装紙「華ひらく」やJR上野駅壁画《自由》など生活空間に美を提供した活動を紹介する。

新制作派協会設立会員 1936
JR上野駅中央改札壁画 自由 1951 撮影:高橋章
帝国劇場ステンドグラス 律動 1966 撮影:高橋章
三越包装紙 華ひらく 型紙 1950

 3章では、20年にも及ぶニューヨーク滞在中に猪熊が果たした日米文化交流における役割について、4章では、猪熊の故郷であり、様々なアーティストや建築家との協働の跡が残る香川県の文化的遺産を紹介する。

ウィラード・ギャラリー(ニューヨーク)第1回個展案内状 1956
レグザムホール(香川県県民ホール)壁画 21世紀に贈るメッセージ 1988 撮影:高橋章

 5章では、同展が開催されるMIMOCAについて取り上げる。猪熊の生前にその理念のもと建てられたこの「現代美術館」はどのようなものか、そして、設計者であり、昨年末に逝去した谷口吉生(1937〜2024)とどのようなやりとりがあったのかについても紹介するという。

 また、高松市にある野外博物館「四国村ミウゼアム」では、同館との連携企画として「猪熊弦一郎 Form, People, Living 身の回りにある、秘密と美しさ」を四国村ギャラリー内で開催。キュレーターにクリエイティブユニット・SPREAD(山田春奈・小林弘和)を迎え、猪熊作品やそれらの作品への導入、インスタレーションなどもあわせて展示されるという。

 会期については、猪熊を表す3つのキーワードから「Form」(春会期:4月18日〜7月19日)、「People」(夏会期:7月26日〜9月12日)、Living(冬会期:9月20日〜12月14日)を予定している。

記者会見の風景より 撮影=大峯達麻

 なお、4月18日からは「瀬戸内国際芸術祭2025」の春会期も始まる。MIMOCAを含めた8つの館で「瀬戸芸美術館連携」プロジェクトを実施するほか、5月31日には直島新美術館もオープン予定。これを機に各館の周遊を楽しむのもよいだろう。

編集部

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