「今津景 タナ・アイル」が東京オペラシティ アートギャラリーで2025年1月より開催へ

東京オペラシティ アートギャラリーで、インドネシアを拠点に活動する現代アーティスト・今津景による初の大規模個展「今津景 タナ・アイル」が開催される。

Memories of the Land/Body 2020 キャンバスに油彩 300×600cm タグチアートコレクションphoto: 木奥惠三 courtesy of The Artist and ANOMALY

 国内外で大きな注目を浴びている現代アーティスト・今津景(1980〜)。その初となる大規模個展「今津景 タナ・アイル」が、東京・初台の東京オペラシティ アートギャラリーで開催される。会期は2025年1月11日〜3月23日。

 今津は山口県出身で、現在はインドネシアのバンドン在住。インターネットやデジタルアーカイブといったメディアから採取した画像をコンピュータ・アプリケーションで加工を施しながら構成し、その下図をもとにキャンバスに油彩で描く手法で作品を制作している。

Hainuwele 2023 ジュートに油彩 350×800 cm トゥムルン美術館(インドネシア)
courtesy of The Artist and ROH
When Facing the Mud(Response of Shrimp Farmers in Sidoarjo) 2022 キャンバスに油彩、アクリル、泥、UVプリント 194×388 cm 個人蔵
courtesy of The Artist and ROH

 近年は、インドネシアの都市開発や環境汚染といった、自身が同地で生活していくなかで体験・リサーチしたリアルな現状をベースに作品制作をしている。それと同時に、現在起きている問題の直接的な表現にとどまらず、様々なアーカイブ画像を画面上で結びつけることで、インドネシアの歴史や神話、生物の進化や絶滅といった生態系など複数の時間軸を重ねあわせ、より普遍性を持つ作品へと発展させているという。地球環境問題、エコフェミニズム、神話、歴史、政治──それらの要素が同一平面上に並置される今津の絵画には、膨大なイメージや情報が作家の身体を通過することで生み出されるダイナミズムもが可視化されている。

 展覧会タイトルとなる「タナ・アイル」は、インドネシア語で「タナ」(土)、「アイル」(水)を指しており、ふたつの言葉をあわせると「故郷」を表す言葉になるという。本展は、現在生活する「インドネシア」と自身のルーツである「日本」というふたつの土地での経験と思考にもとづく今津の作品を通じて、自らが生きる場所について考える機会を創出するものとなる。

「Anda disini / You are here」カスヤの森現代美術館展示風景 2019
photo: 岡田顕
courtesy of MUSEUM HAUS KASUYA
「unearth」ROH(インドネシア)展示風景 2023
courtesy of The Artist and ROH

編集部

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