兵庫県の芦屋市立美術博物館で、特別展「今井祝雄ー長い未来をひきつれて」が開催される。会期は9月14日〜11月17日。
今井は1946年大阪生まれ。大阪市立工芸高等学校在学中であった17才のときに第14回具体美術展へ初出品し、その後最年少作家として「具体美術協会(具体)」会員となった。66年には「第10回シェル美術賞」で一等賞を受賞し、同年7月にグタイピナコテカで個展を開催。絵画や立体作品、モーターを利用した作品を「具体」で発表するいっぽう、「第1回草月実験映画祭」(草月会館ホール・東京、1967)や「現代の空間’68-光と環境」(そごう・神戸、1968)では映像や光による作品を発表するなど、「具体」の新時代を担うメンバーのひとりとして活躍してきた。70年代以降は、写真や映像、音などのメディアを用いた空間や環境についての作品や、身体的な表現を含む作品を数多く制作しながらも、公共的空間を舞台に作品を設置するなど、現在も国内外で精力的に発表をし続けている。
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本展は、作家活動60年となる今井による美術館初個展となる。会場では、1960年代から80年代の平面、写真、映像作品を中心に、コロナ禍に制作された作品や本展に向けて制作される新作、資料などが約100点展示。10代から現在に至るまでの多様な活動を多角的に紹介し、「今井祝雄」という作家の知られざる全体像を明らかにするものとなる。
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なお、本展に関する図録が水声社より刊行されるほか、会期中には関連イベントとして映像作品の上映会や今井とアーティスト・藤本由紀夫による対談、ギャラリートークなどが予定されている。