東京・青山にあるファーガス・マカフリー東京で、アンゼルム・キーファーによる個展「Opus Magnum」が開催される。会期は4月2日〜7月13日。
アンゼルム・キーファーは1945年ドイツ・ドナウエッシンゲン生まれ。フライブルク大学で法律を学ぶが、美術家を志して69年にカールスルーエ芸術アカデミーに入学。70年にデュッセルドルフ芸術アカデミーに移り、ヨーゼフ・ボイスに師事した。69年、ヨーロッパ各所でナチ式に敬礼する自身の姿を撮影した写真シリーズ「占拠」を発表。その後も、ナチスの無謀なイギリス侵略計画を取り上げた「あしか作戦」(1975)などの写真作品で、ドイツの歴史上の記憶を揺り起こした。80年には第39回ヴェネチア・ビエンナーレ西ドイツ館で個展を開催し、この頃から、神話や宗教といった普遍的なテーマへと移行し、わらをキャンバスに付着させた絵画シリーズを制作。物質感のある叙情的な大作も数多く手がけている。
キーファーにとって日本での個展は1998年以来。ガラスケースの作品と水彩画、計20点によって展示が構成される。また、12人の著名な執筆者によるエッセイや各作品についてのテキストを収めた160 ページの展覧会カタログも出版されので、あわせてチェックしたい(展示スペースの都合により、一度の入場者数は最大5名までとなる)。
なおキーファーは、その生涯と現在を追ったドキュメンタリー映画『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』(監督:ヴィム・ヴェンダース、配給:アンプラグド)が6月21日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国順次公開。また25年3月下旬から6月下旬まで、世界遺産・二条城でアジア最大規模の個展も予定されている。