『美術手帖』特集から一年後。鷲尾友公の新たな3部作に注目

イラストやデザイン、アニメーションなどジャンルを横断して活動している鷲尾友公。その新しい3部作が、愛知県で開催中の3つの企画展で展示されている。

「3月のメロディ-UNSEEN PARK-」メインビジュアル

 『美術手帖』2023年7月号「Groundbreaker 日本のストリートとアート」特集でKEY PERSONのひとりとして紹介され、イラストやデザイン、アニメーションなどジャンルを横断して活動している鷲尾友公。その作品が愛知県内の3ヶ所で開催中の3つの企画展で展示されている。

 ひとつは、一宮市中心部のまちなか各所にアートを展示し、鑑賞体験とともにまちなかの魅力を発見する「ICHINOMIYA ART WALK」(3月16日〜31日)。真清田神社の境内にあるかつての長屋で、鷲尾は作品をインストールするほか、「CULTURE SPACE生存」やRe-Tail「書庫と〇〇」を会場に、アーティスト・小宮太郎やアーティストコレクティブ・THE NEWSPAPERS(青木一将、谷薫、永田圭ら)も作品を展示している。

 ふたつ目は、瀬戸市のArt Space & Cafe Barrackで開催されている奈良美智とミラクルファクトリーの3人展「Across the Skate-Border」(3月14日〜4月7日)。長年にわたり奈良の展示サポートをしてきたミラクルファクトリーが展示空間の設計・設営を行い、そこに奈良美智デザインのスケートボードに加えてストリートカルチャーに共鳴してきた鷲尾の作品を見ることができる。

「Across the Skate-Border」メインビジュアル

 もうひとつは、鷲尾の活動拠点である名古屋市北区杉村、大杉、清水にある複数の会場で行われている「3月のメロディ-UNSEEN PARK-」(3月16日〜31日)だ。同地区で起きた変化を報告するとともに、今後の街の活性化や空き家の利用者の増加、有効活用、若手作家の育成などを生活の一部として取り入れていくことを目指すという同イベントでは、sawatohwasi(さわひらきとわしおともゆき)、森北伸、蓮沼昌宏、大田黒依美、ORdER、BLACK GANION、のうしんとう、GOFISH feat.中山努、有馬和樹と牛尾健太、鈴木33回転正夫、OBRIGARRD、ALCI from NIKKEIKYODAI、Rotary Beginnersなどが参加。

 鷲尾は、会場のひとつである昭和九年の老朽長屋に「SAVE THIS TOWN」の壁画を制作するほか、学生によるグループ展や、その学生をたばねる教員の田村友一郎によるタムバー(田村バー)も展開されている。

 『美術手帖』で取り上げられた記事内容から一年後、鷲尾の新しい3部作をぜひ体感してほしい。

編集部

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