モノクロフィルムによる静謐な風景写真で知られるマイケル・ケンナ。日本でもファンの多いこの作家の世界巡回展「JAPAN / A Love Story 100 Photographs by Michael Kenna」が東京からスタートする。東京展の会場は代官山ヒルサイドフォーラム。会期は4月17日〜5月5日。
マイケル・ケンナは1953年イギリス・ランカシャー生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・プリンティングで学び、卒業後は米西海岸に拠点を移す。現在はシアトル在住。日本では京都・奈良・北海道などの風景写真で知られており、日本をテーマにした写真集も数多く出版している。2019年には45周年記念写真展も東京都写真美術館で開催。多くの欧米、日本企業のCMにも写真が使用されている。 その作品は、ヴィクトリア&アルバート博物館、フランス国立図書館、サンフランシスコ近代美術館、東京都写真美術館など、40以上の美術館に所蔵。2022年にフランス政府から芸術文化勲章「オフィシエ」を授与されている。
本展はピーター・フェッターマン・ギャラリー(ロサンゼルス)の協力を得て実施されるもので、東京・ロンドン・ロサンゼルスの3都市を巡回。日本をテーマに、初来日した1987年から最近の作品まで未公開・新作を含むオリジナル・プリント約100点で構成される。
ケンナは本展開催にあわせ、次ようなメッセージを寄せている。
私が初めて日本を訪れたとき、その美学、精神的かつ宗教的な側面、人々の好奇心や親しみやすさ、寛大さに衝撃を受けました。その後、真冬の北海道北部を訪れましたが、私にとってそれは冷厳な水墨画、漢字が記された純白のキャンバスのように見えました。それ以来、この場所を愛してやまないのです。