静岡県立美術館で「天地耕作 初源への道行き」が開催される。会期は2024年2月10日〜3月27日。
天地耕作(あまつちこうさく)は、村上誠、渡の兄弟と、山本裕司の3名が協働で行った、美術制作のプロジェクトだ。街中を離れた野外を主なフィールドに、木や縄、石や土などの自然物を素材として、大がかりな作品を制作。伝統芸能や遺跡などを、民俗学者や考古学者のように(あるいは彼らの言葉によれば蟻のように)フィールドワークし、生や死といった根源的なテーマに迫ってきた。しかし、時間をかけて築かれたそれらの耕作物(作品)は、公開期間やアクセスが限られていたため、現場を目撃した人はあまり多くない。
本展は、そんな旧引佐郡(現・浜松市)を拠点に、1988年から2003年にかけて活動した天地耕作の軌跡をたどるものとなる。その活動の全貌を、写真作品や映像、貴重な資料で明らかにするとともに、美術館の裏山では、未完となっていた2003年の野外作品のプランが実現される予定となっている。天地耕作の試みを目の当たりにすることで、「芸術とは何か」といった初源に還る機会を得ることができるだろう。