渋谷のアートプロジェクト「Might Be Classics」。第2弾に現代美術家・光岡幸一の個展が開催へ

CCCアートラボが、渋谷広域圏においてにぎわいを創出することを目指す「まちづくり協定」の取り組みの一環として企画する「Might Be Classics」。第2弾として開催されるのは現代美術家・光岡幸一による個展「魂心の一撃」だ。会期は11月2日〜13日。

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 CCCアートラボが、東急不動産株式会社とカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が締結した、渋谷広域圏においてにぎわいを創出することを目指す「まちづくり協定」の取り組みの一環として企画する「Might Be Classics」。その第2弾として現代美術家・光岡幸一による個展「魂心の一撃」が開催される。会期は11月2日〜13日。

 光岡は1990年愛知県生まれ。武蔵野美術大学建築学科で学んだ後、2016年に東京藝術大学大学院油画科を修了。東京の下宿先から愛知の実家まで、徒歩で帰ったことをきっかけに人と直接関われるパフォーマンスに興味をもつようになる。以降、建築的な思考をベースに「遊び」の要素を取り入れつつ、絵画や写真、映像、立体など様々な手法を用いて作品を制作。道に放置されていたホームレスの壊れた台車を勝手に治すプロジェクトなど、都市やコミュニティと対話し、自らもそこに介入して得た経験を作品化している。なお、名前は、字がすべて左右対称になるようにと祖父に名付けられ、読みは母が考えてくれたのだという。

光岡幸一

 予感と直感を手がかりに、観察と対話によって場所の特性を見出して作品に取り込みつつ、自らも地域の人やものと関わりながら制作を行ってきた光岡が近年ライフワークのように取り組んでいるのが、テープを使って街に文字を書く行為だ。本展で公開となる新作は、渋谷の会場であるSACSを大胆に使った企みとなる。以下、光岡によるステートメントを掲載する。

近所の道端に、ずっと放置されている2つの棚がある。その棚は、コルクボードにシートが貼られているシンプルな3段タイプの物で(よくIKEAやニトリで安く売っている様なあの感じの)茶色いやつと白いやつが1つずつ並んで置かれている。きっと誰かが捨てていったのだ。
この棚の事が気になっている。
ちょうど家から駅までの間にあるので通る度についつい見てしまう。
たまに缶チューハイの空き缶が置かれていたり、弁当の空きガラが置かれたりして変化があるとちょっとうれしくなったりし、そんな感じで半年ほど経った。雨風にさらされ続けた棚はどんどん風化していき、ついに白い方の棚が崩れてしまった。その2週間後、茶色い棚も崩れてしまった。これからどうなっていくんだろうか。
その棚たちは割と人通りの多い道に居たのだが、何人がそれに気を留めていたのだろう。
この街でその棚について一緒に喋れる人はいるのだろうか。もしかしたら自分だけが見ていたのかもしれない。かといって何故自分がその棚の事が気になっているのかも正直よく分からない。
そういうよく分からないものというか、あってもなくてもいい様な物が街にはなるべくたくさんあって欲しい。そしてそれを面白がっていきたい。
(*この話は今回の展示にあまり関係ありませんのでどうぞお気軽に。)
光岡幸一

 なお、会期中には会場にてトークセッションやDJイベントも企画されている。参加を希望する際は、公式インスタグラムによる情報を確認してほしい。

編集部

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