1000年以上にわたり織物の町として栄えてきた山梨・富士吉田市。ここを舞台にしたアートとテキスタイルのハイブリッド展「FUJI TEXTILE WEEK 2022」が今年も開催される。会期は11月23日〜12月17日。
本イベントはおもに「アート展」と「デザイン展」のふたつで構成される。「アート展」では織物産地の事業者と国内外のアーティストがコラボレートした作品や、テキスタイルを軸にした作品を展示。「デザイン展」では、生産者たちとのビジネスマッチングを行う。また、地域の歴史・文化資源を活用したプログラムが実施され、各会場に街の空き家を活用するなど、地域への貢献・発展を見据えたアートイベントとなる。
今年のテーマは「BACK TO THREAD / 糸への回帰」。輸入糸の割合の増加、原材料価格の高騰、素材や環境問題への消費者の関心など、社会的背景を踏まえたうえで、ものづくりを考えるプログラムが実施される予定だ。
「アート展」では、国内外から12組のアーティストが参加する。産地の織物生産者とアーティストのコラボレーションによる作品をはじめ、テキスタイルをテーマにした様々な作品を、街の空き家や、工場跡地にて展示。町歩きをしながら、織物や富士山の文化を感じることができる。参加するのはユ・ソラ、ジャファ・ラム、清川あさみ、沖潤子、PACIFICA COLLECTIVES、津野青嵐、顧剣亨、池田杏莉、ネリー・アガシ、ブランシェ・ジムブレレ、筒。
「デザイン展」では、明治・大正期ごろに現在の富士吉田周辺地域で織られていた織物「甲斐絹」を取り上げる。企画展では、現在地域内で保管されている数百点を超える資料の中から厳選された生地や羽織、当時使われていた道具を様々な視点からアーカイヴ展示する。現代では復元不可能な甲斐絹に込められた人々のメッセージを感じることができるという。
また、テキスタイル製品のマーケットや、産業発展のための商談会など、訪問者と産地の人々や織物とのふれあいの機会も提供。産地のファクトリーブランドの商品が並ぶマーケットのほか、地域の織物工場の倉庫に眠っていた布の販売など、織物産地ならではの蚤の市「B TANマーケット」を開催。繊維業界やビジネス層向けの「生地展」および、産地の生産者との商談・マッチングプログラムも開催される。
加えて、建物の屋上などを開放する富士見塔ツアー「FUJI SKY ROOF(フジ スカイ ルーフ)」を実施し、普段では味わえない富士山を見る機会を提供する。