フィクションとリアルを横断するオンラインギャラリー「ELEMENT GALLERY」。こけら落としにはAKI INOMATA、荒牧悠、磯谷博史、鈴木康広

フィクションとリアルを横断するオンラインギャラリー「ELEMENT GALLERY」が1月28日にオープンした。こけら落としとなる企画展「Fictional Fact」にはAKI INOMATA、荒牧悠、磯谷博史、鈴木康広が参加している。

Ficciones, M.C.W.M #3 (Spread) © DOMINO ARCHITECTS + SUNJUNJIE + Gottingham (Licenced under CC-BY 4.0)

 フィクションとリアルを横断するオンラインギャラリー「ELEMENT GALLERY」が1月28日にオープンした。こけら落としとなる企画展「Fictional Fact」にはAKI INOMATA、荒牧悠、磯谷博史、鈴木康広らが参加。ウェブ上に架空のギャラリー空間を構築しながら、現実世界に存在する作品を展示、販売するという。主催 / キュレーションは角尾舞。

 本企画は、デジタル世界だからこそ実現可能な空間表現と、現実世界に存在する作品や製品、そしてギャラリーという空間とシステムが、ウェブサイトのプラットフォームとしての役割や機能と結びついたとき、どのようなあり方が可能となるのかを実験。美術館での鑑賞行為を、オンラインで新たな体験として生み出す試みだ。

 また、本ギャラリーのこけら落としとなる企画展「Fictional Fact」では、AKI INOMATA、荒牧悠、磯谷博史、鈴木康広が参加。「架空のギャラリーで展示するのに適切な作品」について話し合いを重ねながら作品を選定したという。

 INOMATAは、映像作品《インコを連れてフランス語を習いにいく》(2010)をベースにそこで生まれた造語を額装、映像とともにパッケージ化した。人ではない者が生んだ新しい言語表現を、まるで名言のように見せる。

 荒牧は「Non Observation Things」という7作品から成るシリーズを発表。「測るもの」をモチーフとした作品群は現実世界では機能を持たないが、架空世界での役割は異なるかもしれないという実験的な意図のもと展示される。

 磯谷は、実現したかどうかすらわからない、とあるイベントのポスターを印刷。まるで美術館のポスターかのような設えによって、実在した出来事であるように人々に想起させるものだ。代表作のひとつである、過去と現実が入れ替わるかのようなシリーズより《事のもつれ10》も同時に展示される。

 鈴木は、重力と水という地球を構成する重要な要素から新作を発表。ありえるのか、ありえないのかすらわからない永遠性について、2つの作品をもって問いを提示する。

 なお、展示作品の大半は購入可能。ビジュアルブックも販売されるため、こちらもあわせてチェックしたい。

編集部

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