2022.10.4

エゴン・シーレをめぐるウィーン世紀末美術の数々。「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」が東京都美術館で開催へ

芸術の爛熟期を迎えたウィーンに生き、28年という短い生涯を駆け抜けた夭折のアーティスト、エゴン・シーレ。その世界有数のコレクションを誇るレオポルド美術館の所蔵作品を中心に、ウィーン世紀末美術を展観する大規模展覧会「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」が東京都美術館で開催される。会期は2023年1月26日〜4月9日。

エゴン・シーレ ほおずきの実のある自画像 1912 板に油彩、不透明絵の具 レオポルド美術館蔵 Leopold Museum, Vienna
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 世紀末をへて芸術の爛熟期を迎えたウィーンに生き、28年という短い生涯を駆け抜けた夭折のアーティスト、エゴン・シーレ(1890〜1918)。そのシーレをめぐるウィーン世紀末美術を展観する大規模展覧会「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」が東京都美術館で開催される。会期は2023年1月26日〜4月9日。

エゴン・シーレ 母と子 1912 板に油彩 レオポルド美術館蔵 Leopold Museum, Vienna

 シーレは最年少でウィーンの美術学校に入学するも、保守的な教育に満足せず退学し、若い仲間たちと新たな芸術集団を立ち上げる。しかし、その当時の常識にとらわれない創作活動により逮捕されるなど、生涯は波乱に満ちたものであった。ナイーヴな感受性で己を深く洞察し、ときに暴力的なまでの表現で人間の内面や性を生々しく描いた作品群。そこから垣間見える表現性豊かな線描と不安定なフォルム、鮮烈な色彩は、自分は何者かを問い続けたシーレ自身の葛藤とも受け取れる。

エゴン・シーレ モルダウ河畔のクルマウ(小さな街IV) 1914 カンヴァスに油彩、黒チョーク レオポルド美術館蔵 Leopold Museum, Vienna

 本展では、世界有数のコレクションを誇るウィーンのレオポルド美術館の所蔵作品を中心に、シーレの油彩画やドローイングなど50点を展示。くわえて、クリムト、ココシュカ、ゲルストルをはじめとする同時代作家たちの作品もあわせた約120点の作品が紹介される。若くしてこの世を去った天才画家、エゴン・シーレの鮮烈な人生とその作品群をぜひ見逃さないでほしい。

グスタフ・クリムト シェーンブルン庭園風景 1916 カンヴァスに油彩 レオポルド美術館寄託、個人蔵 Leopold Museum, Vienna
コロマン・モーザー  キンセンカ 1909 カンヴァスに油彩 レオポルド美術館蔵 Leopold Museum, Vienna