Reborn-Art Festival 2021-22からブライアン・イーノ展まで。今週末に見たい展覧会ベスト5

先週末から今週にかけて開幕する/閉幕する展覧会のなかから、とくに注目したい6つをピックアップしてお届け。最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

ブライアン・イーノ The Ship

テーマは「利他と流動性」。Reborn-Art Festival 2021-22(宮城県石巻市ほか)

名和晃平 White Deer(Oshika) 2017

 宮城県の石巻を主な舞台とした「アート」「音楽」「食」の総合芸術祭「Reborn-Art Festival」が3回目の開催を迎える。今回は、2021年夏の前期に続く後期。

 テーマとなるのは前期同様「利他と流動性」。3つの部門「ART」「MUSIC」「FOOD」を、石巻市街地(石巻中心市街地、復興祈念公園周辺、渡波)、牡鹿半島(桃浦・荻浜、鮎川)の各会場で展開する。

 「ART」の参加アーティストは、朝吹真理子、雨宮庸介、有馬かおる、伊勢谷友介、梅田哲也、オスジェメオス、小谷元彦、風間サチコ、加藤泉、川俣正、小林武史、SIDE CORE(BIEN / EVERYDAY HOLIDAY SQUAD)、笹岡由梨子、さわひらき、藤本壮介、プロダクション・ゾミア、目[mé]、保良雄、山内祥太、弓指寛治、渡邊慎二郎。⽯巻中⼼市街地をメインエリアとして、石巻南浜津波復興祈念公園周辺にも多くの作品が点在する。

会期:2022年8月20日~10月2日
会場:石巻市街地(石巻中心市街地、復興祈念公園周辺、渡波)、牡鹿半島(桃浦・荻浜、鮎川)
開館時間:石巻市街地は平日・土日祝10:00〜17:00(16:30最終受付)、牡鹿半島は平日10:00〜16:00(15:30)・土日祝10:00〜17:00(16:30) ※最新情報は公式ウェブサイトへ
休館日:8月24日、9月7日、9月14日
料金:一般 3500円 / 学生 3000円 / 宮城県民 2000円

ロシア人作家が訴える反戦。エカテリーナ・ムロムツェワ「Women in black/戦争に反対して黒衣を着る女性たち」(越後妻有里山現代美術館 MonET)

エカテリーナ・ムロムツェワ「Women in black/戦争に反対して黒衣を着る女性たち」の展示風景より

 新潟県・十日町を中心に開催中の「越後妻有 大地の芸術祭 2022」。その一部として開催されているロシア人アーティスト、エカテリーナ・ムロムツェワの個展が22日に終了する。

 会場となるのは越後妻有里山現代美術館 MonET。「Women in black/戦争に反対して黒衣を着る女性たち」と題された本展では、ロシア各地で行われたウクライナ侵攻に反対する抗議活動において、黒い服を着て白い花を手にした女性たちに捧げられた「Women in Black」シリーズが展示され、戦争に抗議する参加者たちの勇気が力強く伝えられている。なおムロムツェワは8月28日まで、東京・代官山のアートフロントギャラリーにて個展「Breaking History」を開催中だ。

会期:2022年7月21日〜8月22日
会場:越後妻有里山現代美術館 MonET
開館時間:10:00〜18:00
休館日:火水
料金:美術館入館費に含む

注目の大規模インスタレーション。「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」(京都中央信用金庫 旧厚生センター)

ブライアン・イーノ The Ship

 ヴィジュアル・アートに革命をもたらした英国出身のアーティスト、ブライアン・イーノ。その大規模展覧会「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」がいよいよ閉幕する。

 ジェネレーティヴ・ミュージックの手法を応用して、「ジェネレーティヴ・アート」という革命的な空間芸術をつくり上げてきたイーノ。本展では、世界初公開作品《Face to Face》と、イーノの主要3作品《77 Million Paintings》《The Ship》《Light Boxes》すべてが京都に集結。音と光がシンクロし合う空間を体験する参加型の展覧会をぜひ体験してもらいたい。

会期:2022年6月3日~8月21日
会場:京都中央信用金庫 旧厚生センター
住所:京都市下京区中居町七条通烏丸西入113
開館時間:11:00~21:00  ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 2000円 / 専門・大学生 1500円 / 高校・中学生 700円(平日)、一般 2200円 / 専門・大学生 1700円 / 高校・中学生 1200円(土日)

当時の熱気をいまに伝える。「関西の80年代」(兵庫県立美術館)

展示風景より、田嶋悦子《Hip Island》(1987)

 バブル経済とポストモダンの思潮を背景に、以前の禁欲的な現代美術の傾向から一転して、多彩な表現が花開いた1980年代。この時代の関西における表現にフォーカスした企画展「関西の80年代」展が8月21日に閉幕する。

 兵庫県立美術館の前身である兵庫県立近代美術館では、かつて「アート・ナウ」というシリーズ展が開催され、当時目覚ましい活躍を見せた作家を紹介していた。この「アート・ナウ」などを通じて若い作家が台頭し、やがて「関西ニューウェーブ」として全国的に注目された。本展では、いまでは国内外で活躍する作家たちの若き日の実験作を中心に、80年代、そして関西ならではの心躍る色やイメージにあふれた作品群を一堂に紹介。当時の熱気をいまに伝える意欲的な企画展となっている。

会期:2022年6月18日~8月21日
会場:兵庫県立美術館
住所:兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:一般 1500円 / 大学生 1100円 / 70歳以上 750円 / 高校生以下無料

100年の美術史をたどる。「国立国際美術館コレクション 現代アートの100年 ハロー、アート!世界に夢中になる方法」(大分県立美術館)

展示風景より、中央は塩田千春《トラウマ / 日常》(2008)

 坂茂建築として知られる大分県立美術館で、国立国際美術館のコレクションを紹介する「国立国際美術館コレクション 現代アートの100年 ハロー、アート!世界に夢中になる方法」が開催中だ。

 大阪の国立国際美術館は1977年より、国内外の優れた現代美術を発信する美術館として、収集・保管・展示活動を行ってきた。本展は、同館の名品・優品を国内各地において紹介する巡回展。ポール・セザンヌに始まり、ヴァシリー・カンディンスキーやマルセル・デュシャンらによる抽象絵画や概念芸術の動き、アンディ・ウォーホルら第二次世界大戦後に登場するポップ・アートや、ゲルハルト・リヒター、ヴォルフガング・ティルマンスなどドイツを中心とした新しい表現の数々、さらには映像やインスタレーションなど多様化する2000年以降のアートまで、大きく変容する100年あまりの美術の流れをたどる。

会期:2022年6月11日~8月21日
会場:大分県立美術館
住所:大分県大分市寿町2-1
開館時間:10:00~19:00(金土〜20:00) ※入場は閉館30分前まで
休館日:無休
料金:一般 1200円 / 大学・高校生 1000円

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