稀代のコレクター、ハインツ・ベルクグリューンが厳選したピカソを中心とするコレクションの数々。そのなかからピカソ、クレー、マティス、ジャコメッティなど20世紀美術のエッセンスとなる作品を厳選し展示する「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」展が東京・上野の国立西洋美術館で開催される。会期は10月8日〜2023年1月22日。
ドイツの美術商であったハインツ・ベルクグリューン(1914〜2007)は、1950年からパリで画廊を経営しており、その経験と人脈を活かしながら個人的に作品収集をはじめ、世界有数の個人コレクションを作り上げた。現在、彼のコレクションを収めるベルクグリューン美術館は、ベルリン国立美術館群の一翼を担うほど重要な施設となっている。
ベルクグリューン美術館の開館以来、主要作品がまとめて国外に貸し出されるのは今回が初。来日する作品97点のうち、76点が日本初公開となり、日本の国立美術館の所蔵作品11点を加え、全108点の20世紀美術が一堂に会することとなる。
この展示では、ベルクグリューンの類まれなる作品収集への情熱と研ぎ澄まされた審美眼を垣間みることができる。とくに、同時代の最大の画家としてピカソに心酔していた彼は、画家本人とも交流しながら、作品の収集に没頭し、コレクションを拡大させた。それゆえに、本展出品作のうち約半数(うち35点が日本初公開)がピカソの作品という、非常に充実したボリュームの展示となっている。
また、ベルクグリューンの審美眼によって絵に合わせて選ばれたアンティークの額縁もみどころのひとつだ。