1889年より歴史を刻んできた任天堂の創業地にあたる京都・鍵屋町。この正面通に面し、かるた・花札の製造販売や、任天堂創業者・山内家の住居として利用されてきた1930年竣工の旧本社社屋が新たにホテル「丸福樓」として生まれ変わった。
丸福樓は、THE AOYAMA GRAND HOTEL(東京)やTHE SODOH HIGASHIYAMA KYOTO(京都)などを展開する株式会社Plan・Do・Seeが運営するもの。1947年に設立された任天堂の前身である「株式会社丸福」からその名が取られている。
丸福樓は南北に連なる三棟のRC造の任天堂旧本社社屋と、その一部を解体修復し、さらに新しく建物を増築した新築棟から構成。安藤忠雄が新築棟のみならず既存棟の設計監修も務めた。旧本社社屋の建設当時の風格を保った外観が特徴的で、内装も可能な限り当時の面影を復元しているという。
客室はルーフトップテラス併設の丸福樓スイート(既存&新築棟)、露天風呂と和室併設のジャパニーズスイート(既存棟)など、7つのスイートを含む全18室。既存棟(旧本社社屋)は当時の建築様式や内装を活かしたもので、新築棟は現代らしいデザインとなっている。
注目したいのは「ライブラリー dNa」だ。この空間は任天堂創業者・山内家がプロデュースしたもので、山内家の解釈による任天堂の歴史や創業の理念を表現した空間。宿泊者や各種イベントの招待客のみに開放されたエクスクルーシブな施設で、ライブラリーの機能のみならず、ラウンジとしても使用される。
なおこのほか丸福樓には料理家・細川亜衣が空間デザインと料理メニューを監修したレストラン「carta.(カルタ)」や2つのラウンジなどを完備。京都でのアート巡りの拠点として宿泊したい施設となっている。