田園のなかに家屋が分散する稲作農村形態「散居村」。その散居村が220k㎡にわたって広がる富山県砺波市に、新たなアートホテル「楽土庵」が誕生する。開業は2022年10月。
このホテルの企画・運営は株式会社水と匠。宿は三方を水田に囲まれた、築約120年の富山の伝統的な古民家「アズマダチ」を再生利用し、設計は「51% 五割一分」が担う。周囲の自然環境や歴史と切れ目なくつながるよう、空間には自然素材(土・木・竹・和紙・絹等)が使われ、内部空間には芹沢銈介や濱田庄司らの民藝から、唐や李朝の骨董、現代の工芸・アート作品までがしつらえられるという。宿泊は1日3組限定というスモール・ラグジュアリーな宿だ。
また敷地内には、地域の海・山・里の食材を使って本格的なイタリア料理を提供するレストラン棟が新築され、地元を含む国内の工芸作家によるオリジナル食器を使用。こうした食器をはじめ、宿泊棟に設えられた作家の作品、あるいは富山の食・工芸品などは「ショップ」で購入することもできる。
加えて同ホテルでは、「茶道・華道のプライベート稽古」「真宗王国・富山に根付いた仏教講座」「地域の農家に学ぶ農業体験」など、宿で楽しめるプログラムから、富山の伝統産業工房見学、海・山のネイチャー・アクティビティなども提供。旅によって自己を癒すだけでなく、その旅が地域も癒し、再生へと向かうことに寄与する新たな旅のスタイル「リジェネラティブ(再生)・トラベル」を提案する。